『カープ島サカナ作戦』
目黒それでは『カープ島サカナ作戦』にいきます。赤マント・シリーズの第7弾です。1995年7月に文藝春秋から本になって、1999年7月に文春文庫と。この前の第6弾である『時にはうどんのように』はたくさん付箋を張って、質問事項もいっぱいあったんだけど、この第7弾は付箋がほら、極端に少ない。あまり感想がないんだよねえ。まあ、少しずつ聞いていこうか。
椎名なんでもいいよ。
目黒この本のタイトルは、椎名がCM撮影でパラオに行ったときの回の見出しだよね。それをそのまま本のタイトルにしたんだけど、グアムから2時間飛行機で行って、そこから船で1時間のカープ島に行ったときの話で──。
椎名広島カープのファンだったんだ。
目黒そう。カープ島のコテージは日本人が経営していて、奥さんが広島カープのファンだったと。これ、本当なの?
椎名本当だよ。
目黒そんなふうに付けていいのかなあ島の名前を。ま、いいや。ええと、映画「ウォーターワールド」を見にいく話が出てくるんだけど、『水域』に似ているってこの映画のことでしょ?
椎名そうそう。
目黒ケビン・コスナーが出ていたとは知らなかった。面白かったの? 感想を書いてないんだよ。
椎名うーん。複雑な気持ちだったよ。
目黒まあ、水没した世界の話は、どうやっても似ちゃうから仕方ないよ。
椎名まあな。
目黒それとね、「アメリカの古いSFを読んでいたら、自分の字で書き込みがあったので、以前読んだ本であることを知った」という記述が出てくるんだけど、本に書き込みなんてするの?
椎名しないなあ。
目黒だよねえ。椎名にしては珍しいなあと思って。
椎名なんで書き込みなんてしたのかなあ。
目黒じゃあ、椎名も書評を書いたり、解説を書いたりすることがあるから、そういうときはどうするの? おれの場合は、あとで書評を書く場合は、気になった箇所のページの角を折っていくの。絶対にあとで引用すると思った固有名詞の出てくるページ、心に残った台詞のページ、そういうページの角をばしばし折っていく。で、読み終えてから、今度はその角が折れたページを読み返していくんだけど、椎名はどうするの?
椎名笑うなよ(笑)。
目黒何よ(笑)。
椎名本の上をちぎるんだ(笑)。
目黒えっ、ちぎるの? 角を折ればいいじゃんオレみたいに。
椎名だって何行目か、それじゃあわからなくなるだろ。
目黒えっ、気にいった台詞とか、あとで引用しそうな箇所の、そのちょうど上をちぎるということか。
椎名そうそう。
目黒初めて聞いたなあそういう人(笑)。
椎名あとですぐにわかるぜ(笑)。
目黒まあねえ。あとはえっと思ったんだけど、小泉八雲の『仏領西インドの二年』という本の話が出てくる。A5版上下2巻の長編というんだけど、これ、なに?
椎名面白いぜ。いまも持っている。
目黒小説なの?
椎名小泉八雲の滞在記だよ。おれ、そういうの、好きだから。
目黒こんな本があるなんて知らなかった。それではクイズです。
椎名またかよ(笑)。
目黒ターザンの特集で「人生でいちばん心のなごむすぐれもの」ってのがあって、そのときに椎名が選んだものがあるんですが、それは何でしょう。
椎名心のなごむ──。
目黒すぐれもの、と言うんだから、この場合は道具ですね。
椎名じゃあ、シェラカップ。
目黒何に使うの?
椎名ウィスキーを飲むんだよ。
目黒あとは?
椎名ビーチサンダル!
目黒好きだねえ(笑)。
椎名ギブアップ。
目黒寝袋とヘッドランプと一人用テントの3点セット。覚えてないんだ。
椎名記憶には限度があるからねえ(笑)。
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